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<院長のブログ>

<夏の京都>

梅雨です。一年でもっとも湿度が高くなる季節、京都ではさらにその不快感が増すと言われます。

京都で診療室を開いたときには、地元の方から「先生、京都の夏は油地獄やともいわれます。まるで、フライパンの底に居てるみたいやと」と言われたのを思い出します。たしかに四方を山に囲まれた京都は市内が盆地に位置するからでしょう。町のどこにいても空を見上げれば山が見えるというのはある意味で自然と共生していることでもありますが、この夏だけはかなり、しんどいものがあります。そんな高温多湿の京都にはいにしえより疫病が蔓延しやすく、往時の人々も深刻だったと色々な記録に残っています。医学的な治療法がなかった当時、やはり日常的には加持祈祷ということに頼り、皆で神さまに祈り、疫病退散を祈願しました。まさに祇園祭もその疫病退散を目的にしたものでした。

さて、そんな猛暑の地では様々な形で「涼」をとることをしていました。例えば、北へ向かい、貴船あたりの清流で冷たい水に触れるのも平安時代からの風習だったようです。梅雨のじめじめに清涼感と民間療法の薬玉を軒端に下げることもしていました。薬玉は菖蒲の葉を束ねてくくり、軒端へ屋根の庇から下げています。疫病のもととなる邪気を家の中へ入れないようにしたともいわれています。

「先生、こんにちわ~。そろそろ季節やと思って、鮎もって来ましたんぇ」患者さんで来ていらした祇園町の芸伎さんがそう言いながら診療室に入ってきました。「鮎?どうして鮎を持ってきてくださったんだろう?」と訳の分からない私がキョトンとしていると、大きなすだれ引きの箱に入った御菓子でした。それは、夏になれば京都の人々が誰も一度は口にする「鮎」の形をした求肥入りの美味しいもの。初めて知った私、気恥ずかしいやら、う~んと納得したり。

そうこうするうち、お囃子の音が聞こえてくると梅雨の終わり、祇園祭のお囃子です。さあ、油地獄の始まりですよーーー、笑・