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<院長のブログ>
<入梅>
うっとうしい季節が始まります。
高温多湿がこの時期の特徴ですが、これは太古の昔から避けられない日本という国の地理的な宿命でもあります。なるべく、ジメジメした日々をやり過ごすためにサッパリしたことを考えたのが日本人の知恵でしょうか。梅の実を漬けて「梅酒」を作ったり、寒天をつかったお菓子を作ったり、料理には酢を使って「酢の和え物」などを考えたのです。これらは、湿気から逃げたい心理もありますが、じつは医学的にも理にかなったことです。いわゆる疫病が発生するこの時期、いかに食中毒や細菌感染などから身を守るかという生活の必然的な知恵だったのでしょう。そして、この工夫がされる以前は、神仏に無病息災、疫病退散を祈っていたのです。
その名残りが、この時期の数々の神社のお祭り、とくに夏越の祓いは有名ですね。「夏越の祓いするひとは 千歳のいのち延ぶというなり」という言霊を発して、穢れを禊くための人形を紙でつくり形代として水盤に浮かべて祈願します。京都の冷泉家では、梶の葉に墨で文言をしたためたものを浮かべます。
あるいは、神社で今も行われるのが「茅の輪くぐり」です。茅で作った大きな輪をくぐり、戻ってくぐる。この世とあの世を行き、戻る。その行為に「禊」の祈りが込められていると言われます。他にも願掛けを成就するために輪をくぐるという神社のお参りがありますが、これらも同じ原点なのでしょう。茅をくぐると不思議と少し気分が悪くなる人もいるようですが、戻るとすっきりするといいます。心理的なものかも知れませんが、茅のもつ草の強化作用ともいわれますが、ほんとうのところは分かりません。
食物が腐りやすく、感染しやすい時期こそ、できることを楽しみながら健やかに過ごしたいものですね。