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<院長のブログ>

(写真:蓮華王院にある龍笛を吹く迦楼羅像)

 

<笛>

趣味で雅楽の笛を吹いています。

笛と云ってもじつは何種類かあります。一般的なものとして、龍笛(りゅうてき)が有名ですが、ほかには高麗笛(こまぶえ)、御神楽笛(みかぐらのふえ)(やまと笛ともいいます)があります。一応、すべての笛を習ったものの技量はまだまだです。きまったことを常に同じ質で出来ていれば音色も均質に出すことができましょうが、現実はなかなか難しいものです。その日の体調や精神状態、笛のご機嫌など、色々です(笑)

雅楽は1000年以上の歴史がありますが、源流はエジプト、中近東、ペルシア、インドあたりだと言われ、のちに楽器の形や演奏法などが土着するようにシルクロードを経てシナ、朝鮮に渡り、日本に入ってきたものです。日本では、仏教の伝来と時期を同じくして伝わりました。当時は、神仏習合でしたから、神社での祈祷式などにも組み込まれ、寺院での法楽に演奏された記録が数多く残っています。また、ときの天皇が仏教の伝来と大陸文化を受け入れたため、全国の寺社仏閣にひろまっていったものと云われています。

雅楽の音は誰に向けて奏されるのでしょうか?初めは、天皇であり、神さま仏さまへ手向けた音楽の奉納でした。「音」は神聖な気を通すものとされ、その場を清めるものでもありました。私たちが見えないけれど、何か清らかで厳かな存在へのプレゼントとしての側面がありました。やがて、人々はこころの平安、静謐なものを求める時代になり広く普及するようになったのです。いまもポピュラーな曲目に「越天楽」というものがあります。読んで字のごとく、天を越える音、つまり神仏の領域を指すものです。人間界と神仏界の結界を越える音、私たちがそこに到達し、ご加護を得られるように願う意味が込められていると云われています。

時折、親しい方の誕生日会、有志の会などで演奏させていただく機会がありますが、雅楽はBGMというより、そのひとときに最もふさわしい「付けもの」としての音の贈り物といったほうが良いのかも知れません。春夏秋冬に応じた曲の選定もあり、TPOをわきまえた極めて日本的な「和(な)」ごむ音楽なのかも知れません。今年の秋、私の遠祖、藤原(山内首藤)俊通公が平治の乱で落命して864年になります。京都から鎌倉へ供養墓が帰郷したこともあり、追善の遠忌演奏会を催行する予定です。ご縁ある皆様にはご案内いたしますので、雅楽に触れる絶好の機会でもあると思います。ぜひ、ご参集くださいませ。