/ リンクサイト
<院長のブログ>
<流鏑馬神事>
晴れ渡る11月3日、明治神宮の西参道そばの馬場で流鏑馬神事が催行されました。
毎年、ご招待をうけて観覧させていただいておりますが、これも鎌倉時代から続く日本の大切な伝統文化のひとつです。鎌倉幕府を樹立した頼朝の面前で初めて流鏑馬を披露したのも我ら藤原秀郷流の先祖でした。以来、魔を祓い、邪気を退散させる神事として連綿と行われているものです。古式武田流弓馬術の「もののふ」達により、次々と的を射る人馬一体の作法は、観ていても清々しいものです。文化庁との連携行事として各国大使らも一緒に本殿参拝をしたのち、流鏑馬を神妙にかつ興味深く見ていました。
かつての武家は毎日、弓馬の稽古を欠かさなかったと云います。それは、いざ、という戦の備えだったのです。いまの平和ボケした日本をみたら、どんな顔をするのでしょうか。戦争や紛争は人類がこの世に存在する限り、残念ながら起きてしまうものであるといわれています。では、それを何とか回避できなだいだろうか?と人は考えるようになりました。緊張状態であってもお互いに侵入したり、殺し合ったりせずにいられるのが「平和」です。誰も戦など好みません。戦をしないで済むようにするには、日頃の対話だけでは不可能です。話せばわかり合えるのは、お互いに僅かでも知性がある場合です。一方が、暴力に訴えても他方を侵略してやろうと思えば、その相手にいくら対話を呼びかけても無理な話です。せめて、一方的な戦闘を仕掛けられたとしても守れるだけの備えと装備は必要なのです。
流鏑馬は相手を殺傷するものでなく、魔を射る、祓いの神事です。もし、機会があれば、是非、ご覧になってみてください。身についた錆、穢れ、澱みが祓われると思います。