<院長のブログ>

<風が変わる>
風は吹く方向が一定ではありません。
昨日まで北風だったものが、今日は南風に。弱風だったのに強風に。それが自然の摂理。
歯科医療の世界は、新旧交代が進んでいると云われていますが、それは単に年齢的なグルーピングの問題。古い、新しい、そんな表面的なものをいつまで追いかけているのでしょうか?
人体を扱う仕事であれば、本質の問題が何より最重要課題なのに最新だの先端だのと、目の前に視えるものがすべてであるかのような軽薄なデジタル時代です。データ処理の時間節約や人手の解消、至便性のためのデジタルであったはずなのにいつの間にかAI先生の言うことがヒトの思考より優先的に賛美される時代になりつつあります。
でもね、AI先生は虫歯や歯周病のバクテリア、ウイルスと闘ってはくれませんから。AI先生は歯並びをきれいにしてくれませんから。
プラスチックのアライナーを入れたら歯並びはきれいになる、インプラントでなければ欠損部分は回復不可能、従来の術式では期待できない。ほんとうにそうですか?
ガチャガチャの歯並びをアライナーで治せる?薄っぺらい骨組織にドリリングでインプラントすれば完璧に隣の歯を削らずにMI(Minimal Intervention)を達成できる?
そんな単純な世界で私たちは生きているわけではありません。インスタ歯科医やユーチューバー歯科医の自己満や治療後たった1~2年の経過報告でエビデンスであると結論付けることが、最先端の最新治療なんですか?そんなのは医療ではなく、アトラクション芸として、テレビあたりでやったら良いことじゃないかなあ。
もうすぐ、あらゆるものの価値がガラッと変わる気がしています。
風は確実に変わります。
真摯に患者さんに向き合い、コツコツと真面目な診療を心掛けてきた歯科医達の報われる世の中になります。誰に知られることもなく、ひとりひとりの方に最善と思われる治療を認めてくれる社会がもう一度、必ずやってきます。そう遠くない日が近づいていると感じています。