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<院長のブログ>

<歯の治療の基本>

テクノロジーの進歩が著しい現代。

医学の分野も例外なく、昔に比べて技術や機器の進歩が患者さんの治療に大きく貢献しています。

さて、そんな中にあって歯科医学の分野でも基礎研究の進展によって、人体の一部である口腔や歯というものの治療も洗練されてきたのは事実です。ところが、急速な治療法の裏で、じつは基本的なことが忘れられているような感想をもっています。枝葉末節のテクノロジー、スキル、ツールなどは、あくまでも治療を成功へ導くための手段にすぎません。歯科治療が他の臓器、組織と違う点も治療を受ける際には考慮しておくことが、治療後の予後を大きく左右といってもよいかもしれません。

 

① 歯は再生しません

(再生医学の研究は進んでいますが、歯牙は今のところ不可能です。何故なら、外肺葉由来の細胞分化で完成し、そこで終了するのが歯という組織だからです)

② 歯の治療は失われた構造、機能のマイナスを一旦、ゼロに戻すことです

(ゼロがプラスになっていくこと=増えていくことは絶対、ありません。治ったと誤解しないで下さい)

③ 歯の硬組織疾患は、自然治癒はしません 

(高濃度のフッ素を使っても再生したり、進行が止まることはありません。早期の治療を進める理由です)

④ インプラントがすべてを解決してくれる救世主ではありません 

(ケアをせずに歯をダメにしたひとはインプラント入れても骨に周囲炎を起こすことが多いです)

⑤ 定期的な検診とホンモノのクリーニングは常識です

(10分程度のクリーニングをクリーニングとは呼びません。専門スタッフが60分、歯周組織までを丁寧にするのがホンモノです)

⑥ 全身性疾患のある方は、まず、その治療を優先してください

(糖尿病では68%が歯周病を併発しますし、予後が良くありません)

 

色々、書きましたが、医師と患者の双方の理解と協力があれば、口腔疾患はかなり治癒するものです。そのためには基本的なことを難しく考えないで、確認しておいてください。何よりも治療というのは、マイナスの状態になってしまったものをゼロに戻すことだということなのです。でも、そこからプラスになっていくのではなく、ゼロの状態をキープし続けなくてはいけないということです。ですから、できればそういう状態にならないように予防してほしいのです。